※今回の記事は2025年3月30日時点で手に入る情報に基づき作成しています。
記念すべき個別投信第一回は、日本におけるアクティブファンドの長とも言える
「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」を取り上げていきます。
「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」
追加型投信/海外/株式
投資対象/地域 | 国内 | 海外 | 国内外 |
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株 | |||
債券 | |||
REIT | |||
バランス | |||
その他 |
この商品を最初に取り上げる理由としては、日本の公募投資信託におけるアクティブファンドの中で、
運用残高トップだからというシンプルな理由です(投資信託協会等の公表データより筆者確認)。
言い換えると1番多くの日本人から評価されているアクティブファンドということだと思うので、
早速見ていきましょう。
日本では以下の5コースが現存しています。言葉の意味も需要があれば解説記事作ります。
コース名 | Aコース (為替ヘッジあり) | (為替ヘッジなし) Bコース | (為替ヘッジあり) 予想分配金提示型 Cコース毎月決算型 | (為替ヘッジなし) 予想分配金提示型 Dコース毎月決算型 | Eコース隔月決算型 (為替ヘッジなし) 予想分配金提示型 |
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運用会社 | アライアンス・バーンスタイン株式会社 | 同左 | 同左 | 同左 | 同左 |
ファンド設定日 | 2006年5月25日 | 2006年5月25日 | 2014年9月16日 | 同左 | 2023年10月3日 |
投資対象 | 北米株式 | 同左 | 同左 | 同左 | 同左 |
購入時手数料 上限(税込) | 3.30% | 同左 | 同左 | 同左 | 同左 |
信託報酬(税込) | 年1.727% | 同左 | 同左 | 同左 | 同左 |
信託財産留保額(税込) | なし | 同左 | 同左 | 同左 | 同左 |
NSIA成長投資枠 | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
NISAつみたて投資枠 | × | × | × | × | × |
残高_2025/2/28時点 | 1,222億円 | 15,734億円 | 2,500億円 | 31,688億円 | 380億円 |
上の表の通り、Dコース(為替ヘッジ無、予想分配の毎月分配型)に3兆円強と、1番資金が集まっています。
記事の後段では少しそのあたりに触れていきます。
このファンドが選ばれている理由は個人的に3つあると考えています。
1つ目は成績の良さ、2つ目は分かりやすさ、3つ目は様々な分配ニーズに答えたことです。
成績については運用会社ホームページの月次レポート等で見ることができるので、関心のある方はご覧ください。
分かりやすい運用戦略
この記事では運用戦略に絡めて、2つ目の分かりやすさ中心に触れていきます。
本商品の運用戦略は以下の画像の通りです。

出所:アライアンス・バーンスタイン株式会社ホームページ掲載 投資信託説明書(交付目論見書)
https://www.alliancebernstein.co.jp/retail/5257.html#area08
中心の概念となる「高い利益成長もしくは持続的な利益成長の可能性が高いと判断される企業を発掘」
の部分について以下で触れていきます。
企業が利益を得たら取る行動は基本的に2つで、
①配当として株主に配る
②次なる投資(設備や人事など)にお金を回す
のどちらかになります。
今回の戦略では、株主に配当して今後の原資を減らすくらいなら成長のためにお金を回そうとする企業群に投資をしています。
投資家目線で言い換えると、
足元の安定よりも将来的にさらに大きな利益を生み出す事を期待されている企業群に投資を行うということです。
※アメリカ上場企業の年間あたりの分配金が年率1%を超えているのに対して、
本戦略投資先企業群の配当は年率1%を切っていたかと思います。
これは、効率よく利益を上げている企業である「グロース株」と呼ばれる株に対しての投資行動です。
ここまでの説明だと ? となる方もいると思うので、
特設ページや販売用資料ではもう少し具体的に触れられています。
例えば以下の部分です。

出所:アライアンス・バーンスタイン株式会社 特設ページ
https://www.alliancebernstein.co.jp/uslcg
よく見かけるアクティブファンドの場合、「この戦略における持続的な成長企業の定義って?」
と聞かれた時に開示できない部分も多いと思うのですが、本戦略は明瞭に書かれているな との印象です。
割合としては、これだけ利益を上げている企業を選んでいます!の説明のグラフが多いですね。
一方、この画像の中で「時価総額純負債比率」と定義されている表記がありますが、
要は会社の規模に対して、借金の比率が低い企業群であることもアピールされており、
無謀に借金を積み上げてリターンだけを追い求めているわけではない事の説明になっている、
と個人的には解釈しています。
(この戦略ではテスラのような株価が期待先行となっている銘柄は組入を行いずらいのかなと)。
このあたりの数値を重視し銘柄をピックしている点が単なるIT株式ファンドとはならず、
ここ10年程度の米国株式の時流にも合っており、
コンスタントにインデックスと戦えるパフォーマンスを残している理由なのかと思います。
2025年2月末時点の月次レポートを参照すると、
グロース株なので成長第一の情報技術(IT)セクターは28.5%の組み入れと多いのはもちろんのこと、
ヘルスケアセクターが13.1%の組入となっています。
グロース株であることに変わりはありませんが、
注目されるタイミングが異なるこの2つのセクター中心にミックスしていることが
長期的に本戦略を押し上げてきた理由の1つだと思われます。
様々な分配ニーズに答えた商品設計
最後に、冒頭で触れた分配ニーズの補足について軽く取り上げて終了とします。
本戦略の分配頻度はA,Bコースが年2回、C,Dコースが毎月、Eコースが隔月となっています。
毎月分配型はたこ足配当(自分の資金の取り崩し)だと言われ、一般的に毛嫌いされていますが、
本戦略のC,D,Eコースはある程度リターンに見合った水準で分配をする点が受け入れられています。
逆に言うと、投資先の株価が下落して基準価額が10,000円を割り込むと、一時的に分配金がストップされ、
再度上昇のチャンスを待つ仕組みが備わっています。
分配金を出す時も基準価額が11,000円以上~12,000円未満の場合は
一回の分配が200円程度(年率1.67%~1.8%程度)と、
基準価額に見合った分配水準となっていることで上記の課題を幾らかカバーしています。
※購入タイミングによっては一部たこ足配当になる場合はあります。
最後に
上記運用戦略は複数のポートフォリオマネージャーとアナリストのチームで
再現性を保ちながら継続的に運営されてきています。
情報の開示も比較的多くされており、書けることも多いのでまた触れることもあるかと思います。
「アクティブファンド」を考える上で良い題材かと考えていたので最初に取り上げましたが、
ぜひ皆さんも色々な運用を見てみてください。
それでは、また~
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