※今回の記事は2025年4月12日時点で手に入る情報に基づき作成しています。
「オルカン」は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称として三菱UFJアセットマネジメントにより商標登録されています。
本記事では「オルカン」=上記商品として記載をします。
著者のつみたて投資枠の大半を占めており、日本人に圧倒的支持もされている「オルカン」について今回は取り上げていきます。
投資対象/地域 | 国内 | 海外 | 国内外 |
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株 | |||
債券 | |||
REIT | |||
バランス | |||
その他 |
本商品は為替ヘッジ無、年一回決算型の1コースとなっています。
この記事では「オルカン」が連動を目指す全世界株式の指数についても触れていきます。
コース名 | 「eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)」 |
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運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント株式会社 |
ファンド設定日 | 2018年10月31日 |
投資対象 | 内外株式 |
購入時手数料上限(税込) | 0.00% |
信託報酬(税込) | 年0.05775%以内(2025/4/12時点) |
信託財産留保額(税込) | なし |
NSIA成長投資枠 | 〇 |
NISAつみたて投資枠 | 〇 |
残高_2025/3/31時点 | 52,121億円 |
そもそもオルカンとはMSCI社(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社)が算出している
「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」*という指数への連動を目指すインデックスファンドです。
*以後、長いので各ワードの冒頭を使って、ACWIと呼びます。
一旦ACWIについて見ていきましょう。
投資対象
ACWIは先進国および新興国の47か国株式市場に上場する2,500以上の銘柄によって構成されており、
世界の株式時価総額の約85%をカバーしています(2025年3月末現在)。
…ということで、手数料が安いのはもちろんのこと、現在「オルカン」が日本で最も販売が伸びている大きなポイントは、この投資対象の幅広さだと思います。
この1本を買うことで全世界の株式市場の多くにアクセスすることができるということですね。
良い時代に生まれたものです。
また、ACWIのもう1つ良い点は、時価総額等の条件で投資先の国の比率が変わっていく点です。
2025年3月末時点で米国株式の比率は64.55%、日本の比率は4.85%となっています。
良く言われる話として、「米国の比率が多いから米国が下がると結局下がるよね」といった話があります。
実際60%強組み入れられているので、それ自体は否定できません。
ただしそれほど多く米国が組み入れられているのは、米国が世界経済に与える影響力が高いことの裏返しです。ACWIの国別投資比率は固定なわけではなく、ざっくり大きい順に組み入れられています。
つまり、米国以外の他の国の成長が著しければ、ACWI内における投資比率も上昇します。
(公開情報の中で変化の時系列を出したかったのですが、上手く見つけられませんでした。誰かご存じの方がおられたら教えてください…)

今後、いつどこの国が伸びてきても勝手に自身のポートフォリオに入っているというのはACWIならではの長所ですね。
インデックス VS アクティブ議論
グローバル株式の平均点の成長を得るために「オルカン」ほど優れた商品はなかなか無いと思います。
また、アクティブファンドマネージャーと話す中で、彼らの頭の良さを尊敬はすれど、一般の方に1から10までその運用を理解してもらうことは難しいと感じることが多々あります。
その上、どれだけ良い運用哲学を持っていたとしてもインデックスに勝つ運用者の方が少なく、運用資産の100%をアクティブ運用してもらう というのも現実的では無いと思います。
(本当に良いと思えるアクティブ運用を皆さんにお届けするのは、我々が努力しないといけない点なのですが…)
その点、オルカン1本を積み立てていけば、選別をしなくとも、世界経済成長の恩恵を受けながら資産を成長させることができる というのは、運用に時間が割けない方に薦めやすい点ですね。
より自分の考え方にあった商品を探したい となった時にご相談いただければ良いかなと思います。
そんな理由で、NISAが普及する中で運用を始める同年代から相談を受けることが増えましたので、
1本目に運用を行う商品として「オルカン」の話をしています。
※価格が半分になっても耐えうる資産の範囲内で運用するのは大前提
筆者のつみたて
旧つみたてNISAの頃(~2023年)にガチャガチャ銘柄を入れ替えていた時期もありますが、
現時点においてはつみたて投信枠と旧つみたてNISAを用いた運用はほぼ「オルカン」1本です。
自分の色を出す運用は成長投資枠と課税口座で行っている状態です。
つみたて投資枠では毎日約5,000円ずつ積み立てて、年間120万円のつみたて投資枠の枠をほぼ全て埋めています。
筆者の「オルカン」の運用状況としては、
積立期間が1年強のつみたて投資枠では2025年4月12日現在で7.6%のマイナスになってしまいましたが、
積立期間が複数年にわたるつみたてNISAでは47.26%のプラスが維持できています。
なお、以下の図で示すように、オルカン設定日に100万円購入していれば、その後の約6年半(2025/4/11時点)で約231万円になっています。
4月の9営業日だけで10%の大きな下落がありましたが、1年間も保有していれば上下に20%くらいはブレる(リスクのこと)のが普通です。そう知っていれば、落ち着いて運用できるのかなと思います。
オルカン設定来(~2025/4/11) | オルカン | S&P500 | 新興国株 |
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リスク | 19.51% | 23.36% | 18.80% |
トータルリターン | 131.24% | 171.24% | 59.11% |

S&P500とどっちが良いか?
この質問を私生活でよくいただくので、一言だけ触れて終わります。
結論、考え方の違いでしかないので、申し訳ないのですが、正直個人的にはどっちでも良いです。
ただ、一か国のみに全ベットするほどの確信度は筆者自身は持っていないので、S&P500をやりたいんだ!という強い意志がある方以外は「オルカン」を勧めていますね。
特に足元、2025年4月が米国市場にとっても歴史的な不安定な月になろうとしている中で、やはり単一国のS&P500の方が下げはきつく、分散意義はより感じているところです。
直近の相場で不安な方も多いとは思います。
運用の基礎部分になるつみたて投資枠の範囲内は、どっしりと構えて積立を継続することで実のある運用になっていくはずなので、歯磨きと同じくらいの気持ちで市場に参加しつづけることだけは習慣化しておきたいですね。
それでは、また〜
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